灼見 | 5年連続で世界売上高No.1, 広州酒家の広式月餅、国際認証でリーディングポジションを再確認

要点

  • iiMedia Research(艾媒諮詢)のグローバル市場調査報告によれば、広州酒家の広式月餅カテゴリー売上高は5年連続で世界第1位。
  • 伝統製法の継承に加え、低GI・低糖商品の拡充や高級食材の導入により、健康志向と高付加価値化を同時に推進。
  • 月餅生産ラインの自動化率は80%。全体の生産効率は10%向上し、1人当たり生産性は12%改善。
  • 原材料から流通までの全工程をカバーする品質保証体制を構築し、国際基準に沿った管理を徹底。

 

     世界的な新経済産業分野の第三者データマイニング・分析機関であるiiMedia Research(艾媒諮詢)はこのほどグローバル市場調査報告を公表し、広州酒家集団(以下、広州酒家グループ)の広式月餅カテゴリー売上高が5年連続で世界第1位となったと発表した。この実績は、広式月餅が中国食文化を象徴するカテゴリーとして海外市場で存在感を高めていることを示すと同時に、広州酒家グループが匠の技、継続的なイノベーション、そして高水準の品質によって、世界の消費者から厚い信頼を獲得していることを裏付けるものでもある。

     今回の評価は単なる販売規模の優位性にとどまらない。広州酒家グループは一貫して、イノベーションを成長の原動力に、品質を経営の基盤に、スマート製造を供給力の支柱に据え、商品開発、製造、品質管理の三領域を一体で磨き上げてきた。研究開発から精益生産に至るまで全産業チェーンを閉じた形で整備したことが、地域色の強い伝統食品である広式月餅を、より普遍的で国際競争力のある食品カテゴリーへと押し上げている。

     その意味で、今回の国際認証は、ブランドの知名度向上だけでなく、広州酒家グループの持続的な商品競争力、供給安定性、品質信頼性がグローバル市場で総合的に評価された結果といえる。広式月餅が「地方の特色食品」から「世界に提案できる中国発フードカテゴリー」へと進化する過程において、同グループは主導的な役割を果たしている。

図1 国際認証の証明書

  1. 商品開発——伝統継承と健康価値の両立

     広州酒家グループは、現代の消費者ニーズを的確に捉えながら、広式月餅の伝統技法を守りつつ商品開発と製法高度化を継続してきた。過去5年間で投入した新作月餅は累計100品近くに達し、ラインアップは定番の継承にとどまらず、健康志向、高付加価値化、国際化といった複数の消費潮流を取り込む方向へと着実に広がっている。

     クラシックな蓮蓉餡には、湖南省産の高級蓮子「寸三蓮」を厳選し、「浸す・挽く・漉す・煮詰める」という伝統製法を堅持している。一方で、低温粉砕、一定温度での炒り上げ、科学的な配合管理といった技術革新を組み合わせることで、従来の風味や滑らかな食感を守りながら、より現代的な品質安定性と健康価値の両立を図っている。この『守正と革新の両輪』こそが、広州酒家グループの商品競争力の核にある。

     さらに同グループは、低GI活性ショ糖とジアシルグリセロール油の応用技術で先行し、GI値55未満の低GI月餅を市場投入した。これは、伝統菓子に対しても健康指向の再設計が求められる時代に対応したものであり、広式月餅の新たな価値基準を提示する取り組みといえる。

     加えて、国際的な視点で食材調達と味覚提案を進め、スペイン産イベリコハム、黒トリュフ、キャビアなどの高級食材を導入する一方、陳皮、阿膠、山薬など食薬同源の発想に基づく素材も活用している。低糖卵黄山薬桑の実月餅、低糖阿膠クコの実月餅、低糖山薬チアシード月餅などの新商品は、高級化と健康志向が同時進行する世界市場の需要を捉え、広式月餅の味覚体験と商品価値の境界を押し広げている。

図2 低GI健康月餅

  1. スマート製造——テクノロジーで供給力と標準化を強化

     広州酒家グループは、伝統的な食品づくりの知見とデジタル・インテリジェント技術の融合を積極的に推進し、月餅生産の全工程におけるスマート化を進めている。これは単に設備を更新するだけの話ではない。品質の均一化、安定供給、生産効率の最大化を同時に実現する産業運営モデルへの転換である。

     焼成工程では、トンネルオーブンによる連続焼成、手作業に近い塗卵を再現する柔軟ロボットアーム、冷却タワーの自動搬送などの技術を採用し、工程の連続性と品質の安定性を高水準で両立させている。内装工程では、「自動トレー剥離・ロボットハンドによる製品投入・金属検出・分岐搬送・個包装封緘」の5工程をシームレスに接続し、生産の一貫性と包装精度を大幅に高めた。

     外装工程では、AI画像検査と自動パレタイジングロボットを導入し、検査から積み付けまでの自動化を実現している。現在、月餅生産ラインの自動化率は80%に達し、全体の生産効率は10%向上、1人当たり生産性は12%改善した。これらの数値は、広州酒家グループが伝統食品製造業のデジタル転換において、実務的かつ再現性の高いモデルを示していることを物語っている。

図3 スマート化された生産ライン

  1. 品質保証——全工程管理で安全と信頼を確保

     広州酒家グループは、原材料調達から生産、検査、流通に至るまで全工程をカバーする品質保証体制を構築している。ISO9001、ISO22000、FSSC22000、HACCP、CNAS、米国FDA関連要件など、国内外の主要な基準・認証への対応を進め、品質マネジメントを国際水準へと引き上げてきた。

     製造現場では、GMPおよびSSOP基準を厳格に運用し、三段階の新風ろ過システムとリアルタイム環境監視システムを整備している。清浄度は10万級基準に達しており、衛生環境の維持管理にも抜かりがない。さらに毎年1000万元超を投じて先端検査設備を導入し、微生物、重金属、農薬残留など50項目超をカバーする検査能力を整えるとともに、ILAC国際相互承認資格も取得している。

     食品産業においてブランド価値を最終的に支えるのは、広告表現ではなく、日々の品質管理の積み重ねである。広州酒家グループは、制度、設備、人材、検査能力を一体で整備することにより、原料段階から食卓に届くまでの各プロセスで安全性を担保し、消費者に安心・安全で高品質な製品を提供し続けている。

図4 独立した検査ラボ

  1. 今後の展望——中国の食文化を世界市場へ

     広式月餅カテゴリーで5年連続の世界売上高トップを維持したことは、広州酒家ブランドが国際市場で高く評価されていることの明確な証左である。同時にそれは、中国の優れた伝統食文化を現代の消費文脈に合わせて再編集し、世界へ発信していく企業としての使命を後押しする成果でもある。

     今後も同グループは、『イノベーションを帆に、品質を舵に、スマート製造を櫂に』という姿勢のもと、商品開発と技術革新を一段と強化し、デジタル・インテリジェント化を深化させ、スマート製造体系の高度化と全工程品質管理の強化を進めていく方針だ。国際市場の開拓をさらに加速させることで、広式月餅のグローバルな影響力と競争力を高め、匠の精神と革新の力によって、中国文化の現代的価値を世界に伝えていくことが期待される。